農を身近なものにする複合型農業施設「東京ふらっとファーム」

 
東京ふらっとファーム TOKYO FLAT FARM(2008)
AGRI DESIGN AWARD 2008 ビジネスデザイン部門 佳作


2008年8月中頃から9月末にかけて、今年から一緒に勉強会をやっている友人たちとアグリビジネスのコンペティションに取り組んだ。勉強会および今回のコンペティションに関連して、群馬県片品村の「片品生活塾」(カタカタハウス)にお邪魔させてもらい、一泊二日の夏合宿を行った。「自然農」の農作業のお手伝いを通してあらためて農業の素晴らしさを実感したり、5年前に横浜から片品村に移り住んだ同世代の桐山三智子さんに貴重なお話を伺ったり、その中でこの提案のヒントをいくつか得ることができた。この場を借りて、「片品生活塾」でお世話になった方々に御礼申し上げたい。

以下に、今回のコンペティションの応募書類を一部加筆・省略してご紹介したいと思う。なお、2008年11月8日(土)・9日(日)に東京都渋谷区代々木公園内で開催される「渋谷PEACE祭」の中でパネル展示されるそうです。お近くにお越しの際は、是非お立ち寄り下さい。

メンバー:石黒智絵、巾嶋良幸、菊地拓哉、岩渕めぐみ、鈴木美絵、橋本真吾、山里将樹、小野翔子、小澤朋子、津田和俊
協力:桐山三智子(片品生活塾)


解説(コンセプト)

都会に住みながら、農業を取り入れた自給自足の暮らしを望む人が増えています。しかし、都市部では個人が十分な農地を確保するのは難しく、栽培についての知識もないため、実践するには様々な壁があります。東京ふらっとファームは、野菜を育てて食べるまでに必要な「ノウハウ」と「スペース」を提供することで、人々が農業を身近に取りいれるお手伝いをする複合型農業施設です。都市部の廃校を活用して、教室では野菜の育て方を学ぶワークショップや、各地で様々な試みをしている農家によるセミナーなどを実施。校庭は実習の場として利用するとともに、レンタル農園として市民に貸し出します。また、施設で収穫した野菜を使ったレストランや、農産物や農業用品を販売するショップを併設し、市民の気軽な利用を促します。都市と農村をつなぐ新たな農コミュニティを醸成し、人と情報を循環させながら農業活性化の拠点としての役割を果たします。(コンペティション応募書類から一部加筆)


事業内容(ターゲット・実施内容・収益など)

ターゲット:
1. 農業を生活に取り入れたい都市生活者
2. 新しい知見やネットワークを求める全国各地の農家

実施内容と収益(概算は省略):
野菜を育てて食べるまでに必要な「ノウハウ」と「スペース」を提供する
1. スクール事業(年間総売上:2,100万円):教育/研修による授業料(農家による野菜の育て方講習、小学生向け農業体験、主婦向け料理教室、社会人向け夜間講座など)
2. レンタル事業(年間総売上:2,800万円):校庭の農園や教室の貸出による賃料(農業ベンチャーオフィス、自然食品の加工販売など)
3. ショップ事業(年間総売上:1,600万円):農産物、農業用品の販売、カフェ・レストランの売上げによる収入


特徴(独自性・先駆性など)

1. 誰もが気軽に利用できる敷居の低さ(OPEN, ACCESSIBILITY)
・都市生活者が日常的に利用できる距離。一日農業体験から通年の栽培実習まで。
・カフェやショップ、ギャラリーなど足を運びやすいコンテンツを用意し、他サービスにも興味の対象を広げるきっかけを提供する。

2. 農村と都市をつなぐ結節点(NODE)
・将来的には、都市生活者のニーズ(都会で自給生活)だけではなく、農家のニーズ(付加価値の創出、ネットワークの構築)にも対応。
・都市生活者と農家のコミュニケーションを促し、新たな農業の可能性を開いていく場へと発展させる。


組織(人員・設備など)

人員(組織図は省略)は、関連する各分野(農業/教育/経営/デザイン/調理)の専門家による構成されるアドバイザリー・グループのディレクションのもと、ラボ・セクターが、スクール/レンタル/ショップの各事業に対する企画提案をする。

設備(施設鳥瞰図は省略)は、都市部の廃校をリノベーションして利用する。都市生活者が日常的に利用できる距離に広い農地を確保する。既存設備を活用しコストを抑える。都市を緑化しながら地域活性化にも貢献できる。例えば、教室(講義室/農村や団体のPRスペース/農業ベンチャーオフィスなど)、調理室(カフェ)、校庭(畑、水田)、屋上(プランター)、ショップ、図書館、ギャラリー、ゲストハウス、体育館、プール(貯水槽)など。


事業展開ビジョン(三カ年計画・展開イメージなど)

展開イメージ
1年目:完成してからオープンするのではなく、外部の人を巻き込みながら運営の土台を固めていく。
・スタッフ/インターン募集、校舎のリノベーション、校庭を開墾するワークショップなど、正式オープンに向けた準備を進める
・週末を中心に、農家を招いたレクチャーシリーズや農産物直売など、市民と農家をつなぐイベントを通じて認知度を高めていく。

2年目:フルタイム稼働スタート
・生徒を募集し、スクールを正式に開講
・食堂、ショップのオープン

3年目:それまでの活動で蓄積したコネクションやノウハウを活かしながら事業を柔軟に展開し、都市と農村の結びつきを強めていく
・コンサル事業(農産物の加工、販売方法、ブランディングなど、商品価値を高めるアイデアを農家に提供/就農や農業起業のサポート)
・メディア事業(出版、農業ポータルサイト運営)


懸案事項

・資本金の出所
・グラウンドの土壌改良
・校舎などの設備の維持


参考サイト

[1] AGRI DESIGN AWARD 2008
  http://www.agridesign.jp/ada2008/
 
 
津田和俊 2008年11月5日

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