やわらかくこわれやすいデザインという設計概念とその具現化

 
粒子分散系エレクトロレオロジー流体の創製と新規流体デバイスの開発
Development of Electrorheological Suspensions and Novel Fluid Devices (2008)
千葉大学大学院自然科学研究科多様性科学専攻 博士学位論文


要旨

外部電場に応答して流体のレオロジー的性質が変化する現象をエレクトロレオロジー効果といい、その機能を有する流体をエレクトロレオロジー流体という。これまでのエレクトロレオロジー流体の応用研究は、外部電場の印加により降伏応力を持つことや粘度増加が起こることを利用したものが多い。特に粒子分散系の場合は、粒子が移動して電場方向に鎖状構造の束(カラム)を形成することに起因してエレクトロレオロジー効果が発生する。ここではユニークな不均一構造が形成されるが、その過程に着目したデバイス設計はこれまでにほとんど例がない。このような構造形成の過程に着目して、新規エレクトロレオロジー流体の材料開発と新規アクチュエータへの応用展開の両面から研究を行った。

材料開発の研究では、振動せん断下におけるエレクトロレオロジー挙動について球状粒子分散系と針状(ウィスカー)粒子分散系の比較検討を行うことで、針状粒子分散系の方が優れたエレクトロレオロジー挙動を示すことを明らかにした。また、生分解性のエレクトロレオロジー流体としてバイオポリマーを植物油に分散した系におけるエレクトロレオロジー挙動について比較検討を行った。

アクチュエータの研究においては、櫛形パターン平面電極上において粒子分散系エレクトロレオロジー流体に電場を印加すると表面形状が電極パターンに依存して変化することを示すとともに、エレクトロレオロジー効果と電気泳動効果のバランスで表面パターン形状が決定されることを明らかにした。また外部電場の印加方法を制御して鎖状構造を移動することにより、電極の運動を制御し、モータとして応用できることを明らかにした。


Keywords: Electrorheology (ER), Suspension rheology, Column structure, Electrode design, Fluid device


原著論文

Kazutoshi Tsuda, Yuji Hirose, Hironao Ogura, Yasufumi Otsubo (2010) Motion Control of Pattern Electrode by Electrorheological Fluids, Colloids and Surface A , Vol.360, pp.57-62.
doi:10.1016/j.colsurfa.2010.02.010

Kazutoshi Tsuda, Yuji Hirose, Hironao Ogura, Yasufumi Otsubo (2008) Effect of Electric Fields on the Surface Profiles of Electrorheological Suspensions, Colloids and Surfaces A, Vol.324, pp.228-233.
doi:10.1016/j.colsurfa.2008.04.033

Kazutoshi Tsuda, Yasuto Takeda, Hironao Ogura, Yasufumi Otsubo (2007) Electrorheological behavior of whisker suspensions under oscillatory shear, Colloids and Surfaces A, Vol.299, pp.262-267.
doi:10.1016/j.colsurfa.2006.11.050

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