買物ポリ袋を繰り返し使うための子ども用ニット帽の提案

 
Plastic Bag Robber 買物ポリ袋強盗(2002)
The 6th IDRA Competition 2002-2003, Student/First place award(学生部門 優秀賞)


日本では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売店で商品を購入すると、会計の後にレジ係の店員から買物レジ袋(ポリ袋やビニル袋、あるいは紙袋)が渡されることが多い。最近では、資源の節約や環境への配慮といった観点から、有料化(レジ袋税)やトートバック・風呂敷等の利用(マイバッグ運動)によってその消費量を削減しょうとする動きがある。改正容器包装リサイクル法においても、「容器包装廃棄物の排出抑制の促進(レジ袋対策)」が平成19年4月に施行され、事業者に対する排出抑制を促進するための措置の導入などの取り組みが行われている。

一方で、買物ポリ袋は柔らかく丈夫につくられていることから、繰り返し使用することが可能である。そのため、購入した商品を持ち運ぶために再度使用したり、その他の用途、例えば、小物やゴミをまとめたり(保管・運搬)、自転車のサドルカバーにしたり(防水)するために利用されることも多い。買物ポリ袋の消費量を削減することが大切であると同時に、使い捨てで使用するのではなく、ストックしておいて繰り返し使用するという選択肢を考えることも必要である。


そこで登場するのが、この「Plastic Bag Robber(買物ポリ袋強盗)」という子ども用のニット帽である。一般的なニット帽の外側にニットマスク(目出し帽)を重ねただけのシンプルな構造になっていて、その中に買物ポリ袋を保存しておいて、必要なときに目出し部分から「シュッ」と抜き取れるようになっている。買物ポリ袋をたくさんつめ込むと、保温性も確保できるし、頭部を保護するクッションとしても機能する。親から子どもへの環境教育にもなるし、子どもから大人たちが学ぶ場面が生まれることにもなるだろう。

「買物ポリ袋強盗」たちの要求は、おい、お金を入れろ、ではない。
「袋、ぼく(あたし)要らないよ。ここに入っているもん、ほらね。」


この作品は、「記憶のデザイン」がテーマのコンペティション、国際デザイン・リソース・アウォード(IDRA)の第6回コンペティションに後輩と応募して、学生部門の優秀賞をいただいた。コンペティションの記念カタログに記載されている解説文は以下の通り。

A child’s storage system for used plastic bags. The plastic bags are stored in the hat and when a bag is needed, it can be pulled out from the mask. Since the kids are the ones who wear the mask, it can also be an opportunity for environmental education.
買物ポリ袋を使い回すためのニット帽。ポリ袋をニット帽の中に保存しておき、使用時には目だし部分から抜き取る。子どもに使用させるので、環境教育にもなる。エコを楽しむ提案。

Materials: Knit-hat, Knit-mask
Artists: Kazutoshi Tsuda, Saori Kudo, Aimi Matsuo (JPN)

(出典:『第6回国際デザイン・リソース・アウォード・コンペティション 記念カタログ』, 2003)


津田和俊 2008年1月14日

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