冷凍冷蔵庫と生ごみ処理機を一体化した円柱型プロダクトの提案


食循環発想式円柱型プロダクト YIN AND YANG - Columnar Product of Imagine for Food Cycles (2006)
エコプロダクツ2004「ベンチャーtoサステナブル社会」出展作品


冷凍冷蔵庫と生ごみ処理機を一体化した円柱型プロダクトの提案。冷熱と温熱の両方を同時に生成するヒートポンプの原理を有効活用して、片方で食料品の冷凍・冷蔵を行い、もう片方で生ごみの加熱・乾燥を行う。また、このプロダクトの側面は、食の循環プロセスを感じることのできる食育掲示板として利用することができる。入と出、冷と温、表と裏など、対極にある様々なものが、形をかえて除々につながり、そして循環していく。

コンセプトは大きく分けて、以下の3つ。
1. ヒートポンプの原理を有効活用
2. 食の循環を感じることのできる食育掲示板
3. 家族を中心で支える大黒柱


1. ヒートポンプの原理を有効活用 (Effective utilization of heat pump system)

ヒートポンプとは、水を低いところから高いところに汲み上げるポンプのように、動力を使って大気中などの熱を効率良く低温部から高温部に汲み上げることにより、冷却と加熱を行うシステムである。現在のほとんどの冷凍冷蔵庫には圧縮式のヒートポンプが利用されていて、電動機で冷媒を圧縮して、内部で冷媒を気化させることによって、冷蔵庫内の熱を奪っているが、その冷媒を圧縮して液化することによって発生する温熱は外部に捨てている。そこで、その温熱を乾燥式生ごみ処理のための加熱・乾燥に使えないだろうかと考えた。そうすることで、COPなどの指標で表されるエネルギー効率は、大幅に向上すると考えられる。

2. 食の循環を感じることのできる食育掲示板 (Board of food education for imaging food cycles)

冷凍冷蔵庫のもうひとつの機能、それは掲示板である。家族がよく集まる場所のひとつである食卓の近くで、家族間のコミュニケーションを円滑にしてくれる。このプロダクトでは、その形を角から円にしたことにより、掲示板の可能性を拡げた。キーワードは、循環発想。その側面は、ためる・たべる・こわす・つくるという4つの食の循環プロセスを表しており、それらの各プロセスに関連したトピックを掲示していくことができる。子供の成長に合わせて、その内容をスパイラルアップしていけば、子供はまわりをぐるぐる回って、遊びながら環境学習を行う。

3. 家族を中心で支える大黒柱 (Central pillar "DAIKOKU BASHIRA", supporter of the family)

一家を中心で支える大切な柱である大黒柱。大黒とは、インド地方の「台所の神様」として奉られているマハカーラのこと。日本においても、室町時代から米や食物の守り神として考えられていた。プロダクトを円柱型にしたことで、その配置場所は必然的にすみっこから中心になっていき、大黒柱として食に対する意識を生活の中心にもっていく役割を果たすかもしれない。


このプロダクトはこのプロダクトだけでは完結しない。そのまわりの地域に、今よりもっとシンプルな循環システムがあってこそ、このプロダクトはもっと活きてくるといえる。将来に備えて蓄えるべきもの、それはお金ではなく、水や食料などの資源、そして生きる知恵だと思う。このプロダクトは、それらを蓄えるための一つの答えである。


津田和俊 2007年9月23日(図:大矢旭宏)

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